2011年7月5日火曜日

香港と台湾の関係正常化?

2011年7月4日、台湾の行政院大陸委員会は香港の「中華旅行社」とマカオの「台北経済文化中心」を「台北経済文化弁事処」に改称することを発表した。香港については7月15日から、マカオについては7月4日同日より、改称が実施される。なお、香港には経済部の駐在組織である「遠東貿易中心」と新聞局の「光華新聞文化中心」があるが、それぞれ「商務組」と「新聞組」として弁事処の正式な一部門とされる。
また、香港の政制及び内地事務局はあらたに台湾における駐在機構として、「経済貿易文化弁事処」を台北に2011年内に設置する方針を発表した。台北の弁事処は中国本土にあるものと同様、同局が直接管轄することになる。これまでは、台湾に香港政府の駐在組織は存在しなかった。香港貿易発展局(HKTDC)の事務所は台北にあるものの、これは香港政府を代表するものではない。ただし、以前には、香港政府の駐在機関としてHKTDCを通じて事務所を設定するという報道もあったことは事実である。
今後は、双方の駐在機構の職員には、所得への課税免除や出入国時の優先窓口利用などの便宜供与、空港の制限区域 でのVIPの出迎えを許可することなど、外交特権に準じた扱いが行われる。ちなみに双方は本件について昨年から交渉を続けてきたとしている。交渉機関は、台湾側によれば2010年11月から8ヶ月間、香港側によれば10ヶ月間と食い違っている。
 なお、マカオも2011年3月に台湾における駐在機構を設置する方針を表明している。その名称は香港に準じて「澳門経済貿易文化弁事処」となる模様である。

臺灣與香港關係新進展 - 我駐香港機構更名及功能地位提升」 大陸委員会ウェブサイト(Webcite)
臺灣與澳門關係新進展 - 我駐澳門機構更名及功能地位提升」 大陸委員会ウェブサイト(Webcite)
政制及內地事務局局長談在台設立香港經濟貿易文化辦事處」香港政府新聞公報 2011年7月4日 (webcite
港駐台經貿辦今年內成立」香港政府新聞網 2011年07月04日(webcite)
澳門在台灣設立“澳門經濟文化辦事處”」 澳門政府新聞局ウェブサイト 2011年7月4日 (webcite