2011年6月28日火曜日

香港とEFTA諸国、FTAを締結

2011年6月21日、香港はEFTA諸国とのFTAを締結した。これで、香港は中国とのCEPA、ニュージーランドとのCEPに続く3例目のFTAを締結したことになる。

EFTA(欧州自由貿易連合)はFTAの段階にある。関税同盟であり、なおかつ共通通商政策を執行するEUとは違い、EFTA自体がFTAを締結することはできない。 今回締結されたのは、EFTA参加国であるリヒテンシュタイン、スイス、ノルウェー、アイスランドと香港(Hong Kong, China)によるマルチラテラルFTAである。

今回のFTAは、CEPと同様、物品およびサービスの貿易、知的財産、投資、政府調達、競争政策などの内容を含む幅広い内容となっている。EFTA参加国のうち、スイスは香港にとって7番目の輸出先である(2010年時点、参考資料3)。一方、香港はEFTAにとって16番目に大きい貿易相手である。ほかの主要貿易相手国にEU諸国が多く、15番目までの貿易相手のうち10カ国がそうである(2009年時点、参考資料5)

本FTAの交渉は2010年1月から行われていた。ニュージーランドとのCEP交渉が2009年内に事実上 終わり、その後、主要国とのFTA交渉の予定がなく、EFTAとの交渉が開始されたのかも知れない。いずれにせよ、近隣のアジアとのFTAやASEAN+3、アメリカの参加を表明しているTPPへの対応は、まだ香港政府から明確な方針が出ていない。香港のFTA締結をめぐる政治的に敏感さは、完全に払拭されていないようである。

参考資料
  1. 香港與歐洲自由貿易聯盟國家簽訂自由貿易協定」香港政府新聞公報および香港政府新聞網 2011年6月21日
  2. 香港與歐洲自由貿易聯盟國家自由貿易協定工業貿易署
  3. 港產品出口往十個主要目的地的貨」 香港政府統計処
  4. 'EFTA States and Hong Kong, China sign Free Trade Agreement' The European Free Trade Association Official Website
  5. Fig14 EFTA’s main trading partners in merchandise trade: 2009, “This is EFTA 2011